
梵鐘の音 宇摩皇子
「マック対ウイン」
近ごろ、毎朝新聞を読んでも、パソコンに関しての記事の載っていない日は無いと思う。
大型電気店に行っても、まさしく花形商品というのが一目でわかる。この空前のパソコンブームに火を付けたのは、昨年発売された「Windows95」であることは周知の通りである。
現在パソコンには大きく3つに分かれているらしい。NEC、IBM互換機(DOS/V)、
Macintoshと。NEC、IBM互換機(DOS/V)にはWindowsが搭載されているので、マック対ウインということになる。ウインは世界の75%のシェアであるらしい。まさに飛ぶ鳥も落とすかの勢いで売れまくっている。「ウインに非ずはパソコンに非ず」と言っても過言ではないように思える。
「盛者必衰の理をあらわす おごる平家も久しからず」平家物語の一節である。 全てのことがそう言えるとは限らないと思う。ただ平氏は頂点を極めた後の的確なビジョンを持っていなかったからだと筆者は思う。 このマック対ウイン、どこかそれに似ているような気がする。
Windowsのマイクロソフト社はソフト開発の会社で、そのビル・ゲイツ会長は極めて企業戦略家で、もともと無名であったが、IBMの基本ソフト、MS-DOSを提唱してから、世界の巨人達と組んで急成長している。開発されたアプリケーションソフトは高水準な物であることは良く知られている。いわゆる「上から下へと狙う」戦略である。
一方、 Macintoshはアップルコンピューター社というハード開発会社である。とにかくお客様に使いやすいパソコンを作ることをモットーとしており、早くから画面のアイコンをマウスでクイックする方法を採ってきた。アメリカの電気屋ではパソコンコーナーではなく、冷蔵庫や洗濯機と並んで売られている機種もあるという。「お客様の立場に立って」というコンセプトからなっている。 筆者は両方を使っているから良く分かるが、マックの方が使い易い。で、なぜ売れないのか?
ここらでさっきの「企業戦略」が見えてくる。「ちょっと良い物」が「大変良い物」にマインドコントロールされている。 巨人に付いて大網を引くウインとお客様の使いやすさをモットーとするマックと、いずれ自ずと消費者は気が付くであろう。「おごるウインも久しからず。」 いずれにしても、基本ソフトの話であり、我々が作ったワープロ文章や表計算のファイルはどちらを使ってもその互換性は保たれると思う。
熾烈な戦いを繰り広げているマック対ウイン。あと何年か経てば、「夏草や兵どもが夢の跡(松尾芭蕉)」と言われるようになるのではないだろうか。
この世に「こうだ」と決まったものは無いとつくづく思う。